テクニカル分析

押し目買い・戻り売りがトレードの全て!?下位足でのトレンド転換がポイントに!!

 
トレンドフォローの基本は、押し目買い・戻り売りであり、それだけと言っても過言ではありません。押し目や戻り目が形成される過程・本質を理解すると共に、注文の集中・ダウによるトレンド転換等を丁寧に追いかけていくことが大切です。

ここでは実際のチャートを使って、どのようにテクニカル的根拠をもって、押し目買い・戻り売りを仕掛けていくのかを考えていきます。

1.押し目買い・戻り売りの基本を理解する

ここから先は、下記記事の内容が前提となるので、まずは確認してください。押し目・戻り目が形成される過程や本質を知ることなしに、実際のトレードに応用していくことはできません。

1.押し目・戻り目って結局なに!?トレンドフォローとは、押し目買いすることだった!!

2.価格が上昇したら買うのは間違い!?チャートを分析することの本当の意味!?

 
今回は、上記の基礎的な知識をベースに、どのように実際のトレードに落とし込んでいくのかを見ていきます。

1-1.鉄板の押し目買い・戻り売り基本パターン

まずは、下図を見てください。下降トレンド中の一旦の戻り目から、次の下落を獲りに行くトレードを表した模式図です。

5分足のデイトレードを考えるのであれば、図中赤線の値動きが上位足である1時間足・青線の値動きがトレード足である5分足になります。

あるいは、1時間足で行うスイング気味のトレードを考えるのであれば、図中赤線が上位足である日足・青線がトレード足である1時間足と考えてください。

戻り売りを仕掛けるエントリーポイントを解説したチャートパターン

下降トレンド中に、図中(あ)のポイントで一旦の安値をつけた上位足(赤線)の値動きが、戻り目を築いて図中(A)のポイントまでレートを戻しています。この(A)のポイントで、レートは戻り目の頂点をつけ、その後反転して再度の下落に転じています。

反転ポイントとなった(A)では、前回安値ライン上でしっかり押えられているのが分かり、ここにレジサポラインを形成したことが見て取れます。

明確なラインによってレートが押えられたことで、相場は一旦これ以上の価格で取引することを拒否したことと同意となり、その後の反転・下落に対して非常に高い優位性をもつことになります。

合わせて上図では、トレンドラインによっても(A)はしっかり押えられていて、(A)は反転・下落に転じるテクニカル的根拠がいくつも重なったポイントと考えることができます。

 
この(A)のような、ライン等によって反転理由が明確に存在するポイントで、トレード足(青線)でのトレンド転換が確定する図中緑◯が、戻り目から売りを仕掛ける絶好のエントリーポイントとなります。

トレンド転換が確定するポイントとは、上図のように、ダウ理論による高値切り下げ・安値更新が確定する緑◯であったり、ダブルトップやヘッドアンドショルダーズのネックライン割れポイントになります。

*ダウ理論については、記事:テクニカル分析の元祖ダウ理論!トレンドの継続・転換がまるわかり!?を確認してください。

*ネックライン割れポイントについては、記事:トレンド転換のチャートパターン。ダブルトップとヘッドアンドショルダーズの正体知ってる!?を確認してください。

戻り売りを仕掛けるエントリーポイントを解説したチャートパターン

(A)のポイントのように、明確なライン等によって、反転するだけの根拠があることが重要になります。そうした上位足(赤線)の反転を確定させるのが、トレード足(青線)の上昇トレンドから下降トレンドへの転換であり、そのトレード足のトレンド転換が確定するのが、上図緑◯のような高値切り下げ・安値更新ポイントです。

 
上図緑◯のようなポイントでエントリーできれば、損切り幅を非常に小さく押えることが可能となり、リスク/リワードが非常に高いトレードを繰り返すことが可能になります。損切りラインはもちろん、トレード足での直近高値であり、リワードである利確目標ラインは、上位足(赤線)で一旦つけた安値である(1)(図中紫線)になります。

上図(B)のように、利確目標ラインである(1)付近での反転が見られれば一旦決済し、(1)を下抜けてくれればそのまま次の節目ラインを目標として、ポジションをそのまま保有することが可能となります。

*損切りラインについては、記事:損切りの考え方の基本のき!?美しく負けるトレードがあることを認識しよう!!を確認してください。

戻り売りを仕掛けるエントリーポイントを解説したチャートパターン

(あ)で一旦安値をつけて戻り目を築けば、再度(あ)を下抜けて安値を更新する上図(い)のポイントの方が、分かり易くトレードも簡単なように感じます。

しかしながら、(い)では損切り幅が広くなりがちでリスク/リワード比が悪くなり、長期的なトータルのトレード成績は全く違うものになります。

 
また、分かり易いが故に、この(い)のポイントに当たる(1)のライン付近には新規の指値売り注文が集中し、かつ(あ)の反転・上昇で買い注文を入れた投資家の損切りの売り注文も集中しているため、(1)を下抜けるとそれらの注文を巻き込んで必然的にレートは伸びやすくなります。

その他多くの投資家が追随してくるポイントより先にポジションを仕込み、注文を巻き込んで必然的にレートが伸びることで、資金を大きく膨らましていくのがトレードです。

*注文の集中については、記事:逆行しないで!!一気に思惑方向に伸びるエントリーポイントが知りたい!?も参考にして下さい。

2.実チャートで押し目買い・戻り売りを理解する

それでは、実際のチャートを使って押し目買い・戻り売りポイントを探ってみたいと思います。ここでは、上位足である1時間足で相場環境を把握し、5分足をトレード足としてエントリー・決済するデイトレードを考えます。

下図の、ドル円1時間足チャートを見てください。チャートには、短期・中期・長期の単純移動平均線、水平ライン・トレンドラインを合わせて表示させています。

戻り売りを仕掛ける典型的なポイントを示したドル円1時間足チャート

上図は、下降トレンド中のレートが(あ)のポイントで一旦安値をつけた後に戻り目を築き、(A)のポイントで反転・再度の下落に転じた局面です。

中期(赤線)の移動平均線がしっかり下向きでかつ、やや下向きの長期(オレンジ)の移動平均線よりもレートが下に位置しており、強い下降トレンドが継続しているのが分かります。

そのため、(あ)で安値をつけて一旦上昇し始めたからといって買いを考えるのではなく、反転・再度の下落に転じる分かりやすいポイントを探る姿勢が大切になります。

 
最も簡単な売りポイントとしては、(あ)で安値をつけて(A)で反転・再度(あ)の安値を更新する(い)のポイントになりますが、ここではやはり損切り幅が広くなってしまいます。戻り目からの、下位足での明確なトレンド転換ポイントでエントリーし、損切り幅を最大限に抑えて大きな値幅を狙うのがここで紹介するトレードです。

実際には、(A)の分かり易い反転ポイントで、トレード足である5分足でのトレンド転換(上昇→下降)が確定するポイントで売りを仕掛けます。

戻り売りを仕掛ける典型的なポイントを示したドル円1時間足チャート

一旦の戻り目からの反転ポイントとなった(A)を、もう一度見てください。(A)の水平ライン上では、レートが何度も押えられ・支えられることで、節目を形成しているのが分かります。

また、トレンドラインに押えられるポイントでもあり、かつしっかり下向きの中期(赤線)の移動平均線にも押えられています。ここで反転するだけの、テクニカル的根拠がいくつも重なったポイントが(A)になります。

 
(A)で、トレード足である5分足のトレンド転換(上昇→下降)ポイントで入ることができれば、一旦の利確目標は前回安値ラインである(1)になります。

上図では(1)を一気に下抜けてくれたため、そのままポジションを保有し、次の節目ラインを利確目標として利益を伸ばしていきます。

今回は、その目標となる節目ラインにレートが到達してくれたため、ラインで反転してきた(a)の緑◯あたりで一旦決済しても良いかと思います。もしくは、その後このラインに再度支えられた後、小さく安値を切り上げて高値を更新・短期(青線)の移動平均線も上抜けてきた(b)あたりで、一旦決済することになるのではないでしょうか。

 
それでは、(A)の反転ポイントをトレード足である5分足で確認してみましょう。

戻り売りを仕掛ける典型的なポイントを示したドル円5分足チャート

上図のように、(A)のポイントで5分足では、節目ライン・トレンドライン・中期移動平均線に押えられながら、トレンド転換のチャートパターンであるダブルトップをキレイに形成しています。

トレンド転換が確定するのは、もちろんネックラインを下抜けたポイントとなるため、上図の緑◯が絶好のエントリーポイントとなります。

また、いくつものテクニカル的根拠が重なった堅いラインを損切りラインとすることができ、かつ損切り幅を小さく抑えることができています。リスクを最小限に抑えながら、その後の大きなリワードを獲りに行くトレードです。

 
もちろん、毎回上図のように大きく伸びるとは限りません。しかしながら、このような姿勢でトレードを繰り返すことで、いくつか行うトレードの中に上図のようなリスク/リワード比が桁違いに良いトレードが必ずでてきます。

*ダブルトップによるトレンド転換については、記事:トレンド転換のチャートパターン。ダブルトップとヘッドアンドショルダーズの正体知ってる!?を確認してください。

3.まとめ

このように押し目買い・戻り売りというのは、上位足の押し目・戻り目を、下位足でのトレンド転換から仕掛けていくのが基本となります。そのようにすることで、損切り幅を小さく抑えながら大きなリワードを獲りに行くトレードが可能になります。

水平ラインやトレンドライン・移動平均線などによって、押し目・戻り目から反転するだけのしっかりとしたテクニカル的根拠があるところで、トレードすることがポイントになります。

戻り売りにおける勝ちトレーダーと負けトレーダーのエントリーポイントの違い