2019年1月16日のドル円のトレードについて、テクニカル分析に基づく相場環境の把握からトレード足への落とし込み、仕掛け・決済までを考察します。
最後に動画にて、実際の値動きを追いかけます。
1.ドル円4時間足チャート
日足レベルでは下降トレンド継続中ですが、一気の下落の後足元の安値もサポートされて一旦値を戻してきている局面です。この後大きな流れとしては、再度高値を切下げてくるのか(赤)、もしくは一度安値を切上げてくるのか(赤)、下位足レベルではその思惑が交錯しやすい相場環境です。
また、日足20MA(赤)はレートを押えてきているため、一旦上昇をむかえても上値は重くなるリスクは常に考慮しなければいけません。
そのような中4時間足では、短期的に安値を切上げて(青)きていますが、直近では前回安値・チャネルラインにレジスタンスされて上値を押えられてきています。したがって、この抵抗ライン際で短期的なダブルトップを形成するように(青)下位足で反転となれば、一旦売られ直してもおかしくない局面です。
ただ、直近安値もサポートされて切上げてきており、下げてきたところは押し目買いも足元から入ってきます。直近安値を下抜ければ一段売られやすくなりますが、再度サポートされて反転となれば、結局押し目買い勢力が優勢となり買われ直すシナリオも考えられる局面です。
2.ドル円1時間足チャート
上図1時間足では、4時間足でも見えていたレジスタンスライン・チャネルラインに上値を押さえられて、ダブルトップ(赤)を形成し反転してこようかという局面です。更にそのダブルトップ(赤)の2つ目のトップの中で、1時間足レベルの小さなダブルトップ(青)を形成しようとしています。
したがって、ここで下位足で明確な反転を見せれば、売りを検討したい局面に変わってきます。大きな日足レベルの短期的な高値切下げポイント(オレンジ)で、強固にレジスタンスされながらダブルトップ(赤)を形成してくるところの反転を、下位足で拾っていくトレードです。
ただ4時間足で見えていた相場環境から、4時間足20MA(赤)も未だレートを支え足元からは押し目買いも入りやすいため、直近安値(Wトップネックライン)をしっかり下抜けられるかどうかがリスクとなります。再度サポートされて反転となれば、売りポジションは一旦解消するイメージを持ちながら、下抜ければ上位足から売りを誘ってそのまま利益を伸ばしていくことが可能となります。
3.ドル円15分足(トレード足)チャート
そのような上位足の相場環境の中、15分足では上図のように高値を明確に切下げて(緑)、トレード足でのトレンド転換を一旦確定させたため売りを仕掛け、レジスタンスされた直近高値直上に損切りライン(緑)を置きました。エントリーは、下抜けてからの成行注文となりました。
エントリー後は直近安値を下抜けて、ダブルトップからのネックライン割れと繋がるかどうか値動きを追いかけますが、足元からの押し目買い勢力の買い圧力によって再度サポート・反転となれば一旦決済となります。
その後は上図(15分足)のように、結局直近安値のサポートラインを抜け切れず明確に安値を切上げたため、微益で決済・撤退となりました。
ただここで注目しなければいけないのは、この直近安値のサポートラインで再度支えられての安値切上げ(青)となれば、これまでの見方とは逆に、大きなダブルボトムからの反転で買いを検討すべき局面に移っていくということです。
この局面での上位足を、再度確認します。
4.買いシナリオ転換への視点の切り替え
4-1.ドル円1時間足
上図1時間足で見ると、直近安値を下抜けられず再度サポートされることで、4時間足でも認識できるダブルボトム(赤)の形成が見えてきます。
また、この安値は直近高値に支えられて節目ラインとなっており、ここで再度明確な安値切上げ(青)となれば、結局大きな安値切上げポイント(オレンジ)でダブルボトム(赤)を形成しての反転となり、上位足から押し目買いとして足元から買われ直してくるシナリオが見えてきます。
それまでのダブルトップからの下落シナリオが、明確にサポートされての反転でダブルボトムからの上昇シナリオに切り替わるのが、この1時間足でも明確に認識できる安値切上げ(青)となるのです。
そのような見地から、この安値切上げによって売りポジションを解消すると同時に、買い注文を入れて次の上昇をついていくことになりました。4時間足20MA(赤)も結局レートを支え、安値を切上げることで(青)、1時間足20MA(青)を再度引き上げていくことになります。
4-2.ドル円15分足
15分足で見ると上図のようになり、エントリー後はまずはレジスタンスされた直近高値、及びそれまで上値を押さえていた上位足から引けるチャネルラインを上抜けられるかを見ていくことになります。
実際にはこの後、高値更新からチャネルライン到達でポジションの半分を利益確定し、残りをゆったりと伸ばしていくこととなりました。
5.トレード動画
それでは、そのような見地から仕掛けた一連のトレードについて、実際のエントリーから決済までを下記の動画で確認します。
*音声が出力されますので、ご注意ください。
6.まとめ
今回のトレードでは一旦売りを仕掛けましたが、やはり上位足MAもレートを支え足元から買いが入りやすい相場環境であり、少々リスクの高いトレードであったと感じています。
ただ、できるだけ高値で仕掛けることで、反転となっても微益・微損での撤退が可能となり、逆シナリオを常に意識しておくことで的確な撤退ラインも見えてきます。
人は同時に一つの対象を、別の見方で認識できません。意識的に見方を切り替えることで全く別の景色が広がり、違った認識を得ることが可能となります。チャートも買いシナリオ・売りシナリオと視点を切り替えることで、それまで見えなかったものが見え、全く違った認識のチャートが現れます。
トレーダーの仕事は値動きから差益を獲ることであり、上がるか下がるかを予想し的中させることではありません。
一方向に予想するだけのトレーダーは、自分の思惑とは違う方向へ伸びると損切り・撤退し、あとは指をくわえて眺めるだけになってしまいます。かつ反対シナリオがないため、的確な撤退ラインもチャートから見出せられず、無駄な損失も計上してしまうのです。