FXを始めてみたいと思い立っても、何から始めて良いのか分からないというのが実際のところだと思います。
取引をはじめるに当たっての心構えから、口座開設・どれくらいの資金を用意するのか等、実トレードまでの手順を解説します。私の実体験をもとにしていますので、これから始める方には参考になるポイントがあるかと思います。
1.なぜ自分はこれからFXを始めるのか。
FXを始める共通の理由は、「お金を稼ぐ・資金を増やす」というただ一点です。それ以外の理由をもって、このサイトに訪れている方はいないと思います。当たり前のようですが、ここを改めてしっかり認識することが大切です。
初心者の方によくあるのが、この「お金を稼ぐ・資金を増やす」という本来の目的を忘れてしまって、金融・経済の勉強やチャート分析に時間を費やしてしまうことです。FXを始めるのは、経済に詳しくなることでも難しい分析ができるようになるためでもありません。ただ、「お金を稼ぐ・資金を増やす」という一点です。
勝ち続けている投資家というのは、もの凄く経済に詳しくて難しい分析をしているに違いないと考えてしまいがちです。実際にそういう方もいるのは確かですが、多くの勝ち組トレーダーは自分のトレードに必要な最低限の知識しか有していません。
余分な知識や情報は、時として正しい判断の邪魔をすることが多々あるからです。
1-1.まずは飛び込んで泳いでみる経験が上達の早道。
投資自体が初めてという方は、まずは基礎的な経済知識などをしっかり勉強してから。。と考えてしまいがちです。しかしながら、せっかくの投資家デビューを思い立っても、勉強ばかりで実取引前に投げ出してしまう方が多いんですね。
スポーツでも何でも、机上でいくら勉強したからといって、実際にやってみると全く思っていたものと違うということはよくあります。何度かトライして練習を繰り返すことで、コツが掴めるようになってくるものです。トレードもスポーツと全く同じで、知識だけで実経験を積むことなしには勝ち続けることはできません。
株などの取引では、初めから多額の資金が必要になりますが、FXでは数万円から始めることが可能です。投資が全く初めてという方でも、気軽にチャレンジできるのが大きな魅力ですね。
また、FXで培った相場感やチャートの分析力は、株式や先物取引にもそのまま応用が効きます。小額で始めるFXを投資の登竜門として、その培った経験をもって様々な金融商品へ手を広げていくのが一番だと思います。
1-2.FXは一攫千金を狙うための投資ではない。
ネット上では、何億・何千万と稼いだ方の派手な広告がたくさん掲載されています。確かにリーマンショックなど、レートが一方向に大きく動くときには利益も当然大きくなります。しかしながら、そうした短期間で大きく稼ぐためには、多額の資金に大きなレバレッジをかけるリスクを引き受ける必要があります。
これは、勝つことはできても「勝ち続けることはできないトレード」です。相場に恵まれて一時派手に勝っても、その後資金を溶かしてしまう方が多いのは、この「勝ち続けるためのトレード」をしていないのが原因です。
夢を壊すようですが、これから始めるという方が、数万や数十万の小額の資金を短期間で数千万にすることはできません。
しかしながら、粘り強く相場に正しい姿勢で向き合い続けることで、手元の資金は複利の力で、雪だるま式に少しずつ少しずつ大きくなっていきます。はじめは僅かの利益に感じられますが、ある時それがもの凄く大きくなって驚くことになると思います。
これが、FXで稼ぎ続けるという本来の姿です。
2.FXを始めるには自己資金はいくら必要?
各国の通貨を取引するためには、「証拠金」と呼ばれる自己資金をFX会社の口座に入金する必要があります。実際には口座を開設してから、取引ツールを使って、自分の今預金している金融機関から自己資金をFX口座に入金することになります。
入金自体はとてもシンプルで、今ではほとんどのFX会社で、年中無休・24時間手数料無料で資金の即時移動がツール上で可能になっています。
2-1.1ドル100円のとき、1万通貨のドルを買うためには?
1ドルが100円であれば、1万通貨のドルを買うには単純計算で100円x1万=100万円の資金が必要になります。しかしながら、日本国内のFX会社を利用した取引では、レバレッジが25倍まで認められているため、4万円の必要証拠金(4万円x25=100万円)で買うことが可能となります。
この少ない資金で、大きな取引が可能であることがFXの大きな魅力の一つとなっています。
FXとは「外国為替証拠金取引」の略で、証拠金取引のひとつとなります。FXは資金を担保にして為替取引を行うもので、その担保する資金を証拠金と呼んでいます。その中の必要証拠金というのは、ある取引を行うために最低必要になるFX会社への預託金を指します。
2-2.最低でも10万円の自己資金を用意するのが理想。
実際に数万円からでも始めることは可能ですが、利益をしっかり積み重ねていくためにも10万円は自己資金として用意したいですね。
上述の例のように、多くのFX会社の取引通貨単位は1万通貨ですから、必要証拠金にある程度の余裕をもたせるためにも10万円は必要最低限と言えます。私が実際に始めたときは、30万円の自己資金で1万通貨単位でトレードを始めました。
例えば1万通貨で取引した場合、1ドル100円のときにドルを買い、1円上昇したときに売ったとすれば1万円の利益が手元に残ることになります。10銭上昇したときに売り抜ければ、その1/10の1000円の利益です。
最近では1000通貨から取引できる口座もありますが、まずはお小遣い稼ぎからといっても、それでは10銭の上昇で100円ほどの利益にしかなりません。これから投資家として、しっかり「お金を稼ぐ・資金を増やす」のであれば、最低でも1万通貨からの取引が始められる準備をしてください。
3.資金が用意できたらまずは口座を開設。
投資家デビューを思い立ったのなら、まずは口座を開設してみましょう。FX会社で口座を開設するのは、ウェブ上での必要事項の記載・身分証明書の写真を送信するだけで可能となっています。
口座を開くこと自体は無料で、証拠金を入金するのにもほとんどのFX会社で手数料はかかりません。
3-1.FX口座を初めて開設する際の4つのポイント
実際に口座を開くとなっても、どの会社が良いのか判断するのは難しいと思います。聞き慣れない専門用語も多く、初めての方では判断基準があいまいになってしまいます。これだけ抑えておけば大丈夫というポイントを、私の実経験を踏まえて4つにまとめてみました。
まずはこのポイントに沿った口座を選ぶことで、安心して取引に集中できる環境を整えることができるはずです。上達して自分なりの判断が可能になったときに、新たな口座を開設してみて下さい。私も今は、複数の口座に資金を分散してトレードを行っています。
3-1-1.売買手数料となるスプレッドの狭さ
取引を行うには、各FX会社が設定したスプレッドと呼ばれる手数料を支払う必要があります。例えば、スプレッド1銭で1万通貨(1万円)を取引した場合、100円の手数料が自動的にFX会社に入ることになるんですね。
1回で100円であれば少ないと感じますが、10回で1000円となり、10万通貨で取引するようになれば毎回1000円の手数料が差し引かれることになります。したがって、このスプレッド1銭が0.3銭となるだけで、トレードにかかる固定費を3分の1に抑えられることになります。
また最近では、このスプレッド以外の手数料はかからないのが常識となっていますが、会社によっては口座維持費などの費用がかかるところもあるので注意してください。
これからFXを始めるという方は、まずはこの手数料をできるだけ抑えて取引できるFX会社を選んでみてください。
3-1-2.取引ツールの操作練習ができるデモ機能
いざ取引しようと思っても、取引の方法が初めはよく分からないと思います。特に取引画面には、よく分からない用語や数字がたくさん並んでいて面食らってしまいます。
そんな初めての方のために、仮想通貨を使って取引の練習ができる、デモトレード機能を提供している口座があるんですね。このデモ機能で色々と試していくうちに、取引やツールの操作に早く慣れることができ、スムーズに実トレードに移行することができるようになります。
いきなり実取引を始めて、操作ミスなどで大切な資金を無くしてしまっては元も子もありません。
3-1-3.FX会社の規模と安全性
大切な自分の資金を預けることになるので、その口座の安全性が気になる方も多いと思います。数年前までは日本でも、小さなFX会社がたくさん存在し経営破綻を繰り返していました。
しかしながら今では、日本のFX会社では、顧客の資金は信託保全することが義務化されました。これによって、万が一利用している口座が破綻したとしても、信託銀行などから預けた資金は返金される仕組みになっています。
大手のFX会社は、国内の都市銀行・大手信託銀行と提携していますが、馴染みのない外資系金融機関と繋がっている会社も存在しているので、資金管理の面でも一度確認しておくと安心です。
3-2.口座をもつことで初めて見えてくる世界
実際に口座を開設して取引画面に向き合うことで、それまで見えていなかったことが色々見えてくると思います。イメージしにくかったことがはっきりとして、思ったいたよりも取引自体はシンプルで、気軽にできるものだと理解できるはずです。
百聞は一見にしかずで、本で勉強したりネット上の情報を集めるよりも、数倍速くFXの全体像を掴めるようになります。
4.やるべきことは、買う・売る・待つの3つのみ。
自己資金を用意し口座を開設できれば、いよいよ実際の取引を行うことになります。初めは分からないことがたくさんありますが、やるべきことは基本的に「買う・売る・待つ」の3つだけです。
今買うべき場面なのか・売るべき場面なのか・待つべき場面なのか、ただそれを知るために様々な分析手法や経済的な情報が存在しているだけです。
やるべきことはこの3つだけであることが腑に落ちれば、取引自体もすごくシンプルに捉えられます。
4-1.安く買って高く売る、高く売って安く買い戻す
FX取引で利益が上がるのは、上図のように、上昇局面で「安く買って高く売り抜ける」・下落局面で「高く売って安く買い戻す」の2つです。初めは特に、買ってもいないのに売りから入ることに違和感を感じるかもしれませんが、これがFXです。
このことから分かるように、取引する際に最も大切なのは、今相場は上がりたがっているのか・下がりたがっているのかという方向を理解することです。上がりたがっていれば買い注文を入れ、下がりたがっていれば売り注文を入れる、判断できなければできるようになるまで待つだけです。
この現在の相場の方向を把握するために、様々なチャート分析があるわけですね。逆に言えば、この相場の方向さえ間違うことがなければ、大きな損失が出ることはありません。
相場の方向を見る方法なども、当サイトで色々と紹介していきますので是非参考にしてください。
4-2.注文と同時に必ず損切注文を入れる
注文を入れるときに、忘れずに必ずしてほしいのが損切注文です。上昇局面だと判断しても、こちらの意に反して急反転下落することがあります。
このとき損切注文をしていないと、どんどん下落していく相場を震えながら指をくわえて見ることになってしまいます。FXで大損してしまったり、一瞬で資金を飛ばしてしまう方というのは、この損切注文を入れていない方です。もしくは、損失を確定させたくないという想いから、この損切注文を外してしまう方のどちらかです。
各FX会社の取引ツールで、注文と同時にこの損切注文ができるようになっているので、忘れずに必ず設定してから取引してください。
損切注文を入れることで、その取引のリスクが明確になります。損切注文を入れる・逆行してきたときにその損切を逃げずに受け入れる、それができるだけで上位20%の投資家になることが可能です。
適正な損切ラインの設定方法についても、当サイトで色々と紹介していきますので是非参考にしてください。
5.まとめ
これからFXを始めてみようという方に、実際の取引までに押えて欲しい基本的なことをまとめてきました。初めは分からないことだらけで、難しそうなイメージや不安があるかもしれません。
ただ、細かい知識や専門用語・考え方・取引手法はあっても、実際にすることは非常にシンプルであることが少しは理解して頂けたのではないでしょうか。
まずは小額の資金で、口座を開設することから始めてみて下さい。一歩小さな行動を起こすことで、次の景色が必ず広がってきます。
*FX会社の選び方については、記事:初めてのFX会社と口座の選び方!?初めてだからってもう騙されません!で詳細に解説しています。合わせて確認してみてください。