テクニカル分析

誰も知らないボリンジャーバンドの見方と使い方。逆張りに使っちゃダメなの!?

 
主に、逆張り指標として紹介されることの多いボリンジャーバンド。非常に人気のインジケーターで、多くのトレーダーに広く利用されています。

しかしながら、ここでは逆張り指標としてではなく、トレンドフォローにどのように利用していくのか、その見方と使い方について解説します。

バンドの形状や動きのクセを把握することで、どこまで利を伸ばすことができるのか?この後レートは思う方向に伸びてくれるのか?といったことが、バンドから見えてきます。

1.まずは押さえたい、ボリンジャーバンドの基礎知識

ボリンジャーバンドの構成とσラインの役割

ボリンジャーバンドは、ジョン・ボリンジャーによって1980年代に発案された指標で、統計学の標準偏差の考え方を移動平均線に取り入れたものです。

移動平均線の上下に、同期間の標準偏差ラインを引いて、大半の価格がこの中で推移するという考え方に基づいて相場を判断するインジケーターです。

文字で書くと難しく感じられますが、一般的には移動平均線であるミドルバンドと1σ・2σ・3σラインで構成されます。式で表せば、「ボリンジャーバンド=移動平均±標準偏差」となります。

*移動平均線については、記事:もう逆行しない!?移動平均線の見方と、思わず唸ってしまう鉄板の使い方!を、合わせて確認してください。

1-1.逆張り指標として、単独では使えないボリンジャーバンド

標準偏差というのは、価格がどのように分布しているのかを表すものと捉えてください。この標準偏差の考え方に従うと、

■±1σ内に価格が納まる確率は68.3%
■±2σ内に価格が納まる確率は95.5%
■±3σ内に価格が納まる確率は99.7%

となります。ということは例えば、±2σより外にレートがあるときに逆張りポジションをとれば、95.5%の確率で内側に戻ってくるとも考えられます。この考え方が、多くの書籍やサイトでボリンジャーバンドが逆張り指標であると言われている根拠です。

しかしながら、実際にはこのような考え方だけでは、逆張り指標としては全く使えません。ここでは記しませんが、さらに様々な条件の下ではじめて使える考え方となります。未だに、レートがバンドを超えたら逆ポジションをとりましょう!という書籍やサイトが多いのには驚かされます。

そもそも開発者のジョン・ボリンジャーは、逆張り指標として発案したのではないと自身の書籍で述べています。ボリンジャーバンドとは、レートがσラインを超えて大きく動くときをトレンドと判定するための指標です。

1-2.ボリンジャーバンドの基本的な3つの動き

ボリンジャーバンドには、特徴的な3つの動きがあります。スクイーズ・エクスパンション・バンドウォークと呼ばれる動きで、常にこの3つの状態を繰り返して、その状態から様々な相場の状況を判断することが可能となります。

1-2-1.スクイーズ

ボリンジャーバンドのスクイーズ形状

スクイーズというのは、英語で押しつぶすといった意味です。その名の通り、ボリンジャーバンドがギュッと押しつぶされた状態を表しています。レートの値動きが非常に小さくなるため、トレードするには難しい局面と捉えることができます。

しかしながら、このスクイーズの状態が長く続けば続くほど次へのエネルギーを溜めることになり、その後一気にトレンドが発生するきっかけともなります。

1-2-2.エクスパンション

レートとは逆方向のバンドが開くエクスパンション

エクスパンションは、上記のスクイーズの後によく見られる状態で、バンドの両端が大きく開くことを意味します。相場のトレンドに勢いが出たときに見られる形状で、レートは一気に上昇・下落するためトレードチャンスとなる状態です。

値動きと逆側のバンドも同時に開くのがエクスパンションの状態で、値動き側が開いただけではエクスパンションとは見なさないので注意が必要です。

両側のバンドが開いたエクスパンションの状態では、一方向に勢いよくレートが推移する強いトレンドとなりますが、値動き側だけが開いた状態ではその方向にレートは推移しても、値が上下しやすくなります。値動きと逆側のバンドの開きの有無がポイントとなります。

1-2-3.バンドウォーク

ボリンジャーバンドのバンドウォーク形状を示したチャート

上記のエクスパンションの後、開いたボリンジャーバンドの縁に沿ってレートが推移する状態をバンドウォークと呼んでいます。

上位足でこの状態のとき、その下位足でトレードしやすい環境になっている場合が多くなります。例えば、日足でエクスパンションしながらバンドウォークしているような相場では、その下位足では一日中値幅が大きく、一方通行の強いトレンドができやすい環境となります。

また、エクスパンションはしなくとも、レートがバンド上をダラダラと一方向に推移するバンドウォークも存在します。このようなときは、その方向に進みながらも上下の動きが大きくなりがちで、一般にトレードの難易度は高まります。

2.バンドの状態で、利が伸びるがどうかを判断する

ボリンジャーバンドの状態によるレート上昇の勢いの違い

上図のように、左側では上昇はしていても、バンドがエクスパンションしていないため勢いがありません。値も上下を繰り返しながらダラダラと上昇することが多く、トレードも難しくなります。

それに対して右側のエクスパンションした状態では、レートは勢いよく上昇しています。ローソク足も陽線が連続し、値が一方向に大きく伸びるためトレードチャンスとなります。

例えば、このような状態が1時間足で見られれば、下位足である5分足などで小さな押し目を形作ったときにエントリーしやすくなります。

このように、ボリンジャーバンドのエクスパンションの有無は、利をしっかり伸ばせる相場環境なのかを判定するひとつの指標となるのです。

2-1.エクスパンションした後のバンドの動き

エクスパンションした後のバンドが閉じていく状態

バンドが開いてエクスパンションすることにより、レートは一気に一方向に伸びていきますが、いずれその伸びも衰えてきます。その勢いが無くなってきたのかどうかも、ボリンジャーバンドの動きによって判断することが可能です。

上図の(1)でエクスパンションしたバンドは、まず値動きとは反対側のバンドが閉じ始めます。必ず反対側から閉じ始めます。図の(2)の局面になりますが、ここが勢いがなくなってきたと判断できる初めのポイントです。

その後、値動き側のバンドが閉じ始める(図の(3))ことにより、本格的に勢いがなくなったと判断できます。上図においても、両側のバンドが閉じた後に上昇勢いがなくなり、その後スクイーズして一旦下落に転じています。

3.上位足への勢いの連鎖で、一気に利を伸ばす

3-1.ボリンジャーバンドで決済するべきポイントを判断する

*引用文献:著書「維新流トレード術」より
ボリンジャーバンドを活用した利益確定のタイミング

ボリンジャーバンドの状態で相場環境を把握することで、これからまだ値が伸びるのかどうかも見えてきます。

例えば上図のように、ミドルバンドに支えられながら、安値を切り上げて高値を更新したポイントでロング(買い)エントリーしたとします。その後すぐ、値動きとは逆側のバンドが開いてエクスパンションしたことで、勢いがついて上昇していくことを示唆してくれます。こうなれば、バンドが閉じ始めるまでは小さな値動きに惑わされることなく、安心してポジションを持ち続けることが可能です。

その後、勢いがなくなってきたと判断できる、値動きとは逆側のバンドが閉じ始めるときが初めの決済ポイントです。さらにその後、値動き側のバンドも閉じ始めることで、本格的に勢いが衰えてきたと判断できる局面が第2の決済ポイントとなります。

とちらのポイントで決済するのも、その時の状況・好みなどによって判断して良いかと思いますが、第1のポイントで半決済し、第2のポイントで残りを手仕舞うという決済も可能です。

時間軸の異なるボリンジャーバンド表示による利益確定ポイント

ひとつの時間足に表示したボリンジャーバンドだけでなく、上位足のバンドの動きも合わせて見ることで、さらに大きな利幅を獲りに行くことが可能となります。上図はユーロ/円の5分足で、20期間のボリンジャーバンド(ミドルライン,2σライン)と15分足のバンド(2σライン)を重ねて表示しています。

例えば上図のように、強く意識されてきたラインを下抜けた局面でショート(売り)エントリーしたとします。直後に図の(1)のようにエクスパンションしてくれたため、バンドが閉じ始めるまでは値動きを気にすることなく、ゆったりとポジションを持つことが可能です。

その後(2)のように、値動きとは逆側のバンドが閉じ始めることにより決済を考える局面となります。しかしながらこの時、15分足レベルのバンドは依然としてエクスパンションしており、まだまだ値は伸びるという判断が可能となります。したがって、ここではまだ決済せず、更なる利幅を狙いに行く局面と考えることができます。

さらにその後(3)のように、値動き側のバンドも閉じ始めることにより、5分足レベルでは勢いが一旦収束してきたと判断できる局面を迎えます。ここでは、もちろん決済しても良いポイントですが、依然として15分足レベルではエクスパンション状態です。ポジションの半分を利益確定し、もう半分は様子を見るという判断も可能です。

3-2.上位足のボリンジャーバンドで決済することが可能

*引用文献:著書「維新流トレード術」より
上位足のバンド形状から利益確定ポイントを探る

上位足である15分足のバンドがエクスパンションしている限り、相場にはまだその方向に伸びる勢いが残っていると判断できます。もちろん、5分足につられてすぐに収束してしまうこともありますが、上位足のバンドを見続けることでより大きな利幅を獲れるトレードが増えてきます。

上図(4)のように、値動きとは逆側の15分足のバンドが閉じ始めることにより、本格的に決済を考える局面を迎えます。移動平均線であるミドルラインを上抜いてくる局面でもあるので、一つの決済ポイントと言えます。

しかしながら、15分足のバンドが完全に閉じるまで持ち続けると決めれば、(5)のポイントまで利益を伸ばすことも可能となります。

このように、トレードする時間足よりも上位のボリンジャーバンドをしっかり見続けることで、小さな値動きに負けて薄利で決済することなく、安心してゆったりと利幅を獲ることができるようになります。

もちろん、さらに上位の1時間足・4時間足とバンドのエクスパンションが連鎖していくような相場であれば、どんどん利益を伸ばしていくことも可能です。

*ボリンジャーバンドでの決済ポイント・上位足への勢いの波及の概念は、著書「維新流トレード術」で解説されている著者独自の概念です。

4.まとめ

ボリンジャーバンドの、基本的な見方や使い方をまとめてきました。バンドには1σ・2σ・3σとありますが、一般的に2σが良く使われているようです。

チャートに1本表示させるだけで、現在の相場環境を把握することができ、同時にこれから値がまだ伸びるのかどうかの判断にも使えます。エントリー後しっかりエクスパンションしてくれれば、バンドが閉じ始めるまではゆったりポジションを持ち続けることも可能です。

逆にバンドがしっかり開かなければ、安定した大きな伸びには繋がらず、すぐに逆行してしまう可能性も高くなります。

ボリンジャーバンドは相場環境を把握できるだけでなく、エントリー・決済ポイントの判断にもなる優秀な指標です。正しい見方と使い方をすることで、勝率も利益も全く違ったものに変わると思います。

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